弁護士コラム:映画「国宝」を観て(令和7年12月18日更新)
久しぶりに劇場に映画を観に行きました。コロナ以降なかなか足が向かなかったことと、DVDを購入して家で観れることから、けっこう長い間映画館を訪れる機会がありませんでした。今回は「国宝」という映画が好評でロングランの興行が続いていたことから久しぶりの映画鑑賞となりました。
万難を排して映画館に行くとそこは老若男女があふれかえっている活気のある風景がありました。ワクワクしてきました。
映画館といったら、まずやるべきことは決まっています。ポップコーンの売り場に並んでまずポップコーンと飲み物を購入します。ポップコーンはバターとメイプル味の2種類、食べきれないくらい大きな容器に入ってきて、実際上映時間の3時間では食べきれませんでした。これと飲み物、やっぱりコーラですね。ここまで準備しないと、映画を観に来た感動はないと思います。この日はこれらに加えて、ホットドッグをひとつ、これで準備万端です。
チケットは事前にネットで購入し劇場で発券しました。並ぶ必要もなく、便利になったものですね。
さて、映画の中身の話に戻りますと、映画「国宝」は日本の文化である歌舞伎が長い時間をかけ、師から弟子へと伝承されてきた無形の文化であり、この映画では、ただ見るだけでは、気づかなかった所作の美しさや、これを支えている精神があるのだということを感じました。約3時間という長い映画でしたが、息をつく暇もないくらい集中して画面に見入っていました。伝承という過程では、長い時間をかけて所作や精神が受け継がれていくとことに感動しました。今の社会は忙しくて効率性だけが優先されているように思いますが、日々繰り返される本質を求めての所作と精神の追及が最終的に日本文化としてこれからも受け継がれていくことを期待してみていました。
また、日々の鍛錬の中で、繰り広げられる人間模様や葛藤も、この映画の見どころだったと思います。歌舞伎界に縁もゆかりもなかった主人公と、有名な歌舞伎役者の子に生まれた同じ年の仲のいい役者との切磋琢磨の中で生まれる友情や、葛藤、嫉妬などの様々な感情を通して主人公などが人間的に成長してゆく過程も描いています。見どころの多い映画だったと思います。歌舞伎界に縁もゆかりもない主人公が人間国宝を受賞するまでに成長した姿は感動的でした。
もととなった小説とは、関係する人々やそれぞれのキャラクター、エンディングなど違う設定がありましたが、どちらかというと映画のエンディングの方が私の好みでしたね。まだご覧になっていない人にはぜひご覧になることをお勧めします。見どころ満載の映画だと思います。
(執筆者)弁護士 菅野 芳人
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