【解決事例88】事故から約1か月半後に硬膜下血腫を発症しその1年半後に死亡したという80代男性について提訴して因果関係を認めさせ,総額で約4300万円の和解を成立させた事例。

相談者
80代男性
後遺障害内容
死亡事故
後遺障害等級

[受任時]             0円

[和解後]      4300万円

[増額分]      4300万円

 

交通事故の概要

被害者が宮城県仙台市内の閑静な住宅街の道路を散歩していたところ,交差点を右折してきた車両が被害者に全く気づかないまま衝突し,被害者に脳震盪,頭部挫創等の傷害を負わせた。被害者は経過観察のため1日入院して様子を見た上で退院したが,その後1か月半後に硬膜下血腫を発症し,慢性硬膜下血腫と診断され,その後遺症を治療中の1年半後に死亡した。

交渉経過等

被害者の家族は,本件事案が複雑であることから,交通事故の案件を数多く処理している宮城県仙台市内の当弁護士事務所に相談した。当弁護士事務所では,まず加害者側の保険会社に連絡し,とりあえず治療費の一括対応を依頼し,了承を得,被害者が治療に専念できるよう対応した。

その後,硬膜下血腫の影響により,歩行機能や認知機能の低下が見られた被害者について後遺障害の申請を準備していたところ,被害者が死亡した。

当事務所は死亡後,仙台市の調査事務所に対し死亡による損害の請求(被害者請求)を行ったが,同事務所では1年以上にわたり結論を出さないまま経過,そこで同事務所に対し裁判も辞さない旨を通知したところ,ようやく死亡を前提とする損害賠償金の支払を行った。

上記の経過を経て,加害者側保険会社に対して損害賠償金の請求を行ったところ,同社は因果関係を争い,過失相殺を主張したため,仙台地方裁判所へ提訴。最終的には,因果関係が認められ,被害者の過失もないとの結論となり,和解が成立した。

和解の概要(数字は概算額)は次のとおりである。

損害項目 原告 被告 裁判所
 治療費 300,000 0 300,000
 入院雑費 700,000 0 700,000
 交通費 50,000 0 50,000
 付添費 2,000,000 0 0
 診断書料 50,000 0 50,000
 葬儀費 1,500,000 0 1,500,000
 休業損害 2,000,000 0 1,000,000
 傷害慰謝料 4,500,000 0 4,500,000
 死亡逸失利益 12,000,000 0 10,000,000
 死亡慰謝料 27,000,000 0 22,000,000
 (小計) 50,100,000 0 40,100,000
 過失割合 0% 20% 0%
 調整金 2,400,000
 (合計) 50,100,000 0 42,500,000

 

 

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